ソニーが手掛ける「Xperia Ace III」は、片手で操作しやすいコンパクトなサイズ感と、大容量バッテリーによる電池持ちの良さが魅力のスマートフォンです。おサイフケータイ®や防水・防塵性能にも対応しており、日常生活で安心して使える機能が充実しています。高価なフラッグシップモデルではなく、日常使いに十分な性能を求める方や、コンパクトなスマホを好む方に最適な一台と言えるでしょう。
「Xperia Ace IIIって格安SIMでもちゃんと使えるの?」「Xperia Ace IIIのAPN設定って難しくない?」「どのXperia Ace III MVNOを選べばいいの?」「Xperia Ace III 乗り換えはスムーズにできる?」といった疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、Xperia Ace IIIを格安SIMで使うことを検討しているあなたのために、Xperia Ace III 対応バンドから初期設定、そしてXperia Ace IIIにぴったりのおすすめMVNOまで、徹底的に解説します。この記事を読めば、安心してXperia Ace IIIと格安SIMの快適なスマホライフをスタートできるはずです。
Xperia Ace IIIと格安SIMの相性:基本情報

Xperia Ace IIIの対応バンドと主要MVNOの対応状況
Xperia Ace IIIは、キャリアによって対応バンドが異なる場合があります。快適な通信環境を確保するためには、お持ちの端末のキャリア版と利用したい格安SIMの回線が、対応バンドにしっかりと合致しているかを確認することが非常に重要です。
Xperia Ace IIIのキャリア別対応バンド
キャリア版 | 5G NR 対応バンド | 4G LTE 対応バンド | 3G 対応バンド |
ドコモ版 (SO-53C) | n78, n79 | Band 1, 3, 5, 12, 19 | Band 1, 5 |
au版 (SOG08) | n3, n28, n77, n78 | Band 1, 3, 12, 18, 41 | Band 1, 5 |
ワイモバイル版 (A203SO) | n3, n28, n77 | Band 1, 3, 8, 12, 39, 41 | Band 1, 8 |
(注記:上記は各キャリア版のXperia Ace IIIが公式に公表している対応バンドです。実際の利用状況は、地域や通信環境によって異なる場合があります。)
主要MVNOのXperia Ace III対応状況
MVNO(キャリア回線) | ドコモ版 (SO-53C) | au版 (SOG08) | ワイモバイル版 (A203SO) | デュアルSIM対応(物理SIM+eSIM) |
mineo (Dプラン/Aプラン/Sプラン) | D:○, A:△, S:△ | D:△, A:○, S:△ | D:△, A:△, S:○ | ○ (au/ワイモバイル版のみ) |
IIJmio (Dタイプ/Aタイプ) | D:○, A:△ | D:△, A:○ | D:△, A:△ | ○ (au/ワイモバイル版のみ) |
J:COM MOBILE (au) | △ | ○ | △ | ○ (au版のみ) |
NUROモバイル (ドコモ/au/ソフトバンク) | ドコモ:○, au:△, ソフ:△ | ドコモ:△, au:○, ソフ:△ | ドコモ:△, au:△, ソフ:○ | ○ (au/ワイモバイル版のみ) |
イオンモバイル (ドコモ/au) | ドコモ:○, au:△ | ドコモ:△, au:○ | ドコモ:△, au:△ | ○ (au/ワイモバイル版のみ) |
LINEMO (ソフトバンク) | △ | △ | ○ | ○ (ワイモバイル版のみ) |
ahamo (ドコモ) | ○ | △ | △ | ○ (ドコモ版のみ) |
povo2.0 (au) | △ | ○ | △ | ○ (au版のみ) |
楽天モバイル (自社/au) | △ (auローミング) | ○ (自社/auローミング) | △ (auローミング) | ○ (au/ワイモバイル版のみ) |
△の注意点:
- ドコモ回線でXperia Ace III (au版/ワイモバイル版)を使う場合: ドコモの主要なプラチナバンドであるBand 19や5Gのn79に対応していないため、郊外や山間部、建物内で電波が弱くなる可能性があります。
- au回線でXperia Ace III (ドコモ版/ワイモバイル版)を使う場合: auの主要なプラチナバンドであるBand 18/26(Band 26はBand 18を内包)や5Gのn77/n78に対応していない(ドコモ版はn77非対応)ため、同様に電波が弱くなる可能性があります。
- ソフトバンク回線でXperia Ace III (ドコモ版/au版)を使う場合: ソフトバンクの主要なプラチナバンドであるBand 8や5Gのn77に対応していないため、電波が弱くなる可能性があります。
結論として、Xperia Ace IIIを格安SIMで利用する際は、購入した端末のキャリア版と利用したい格安SIMの回線が一致しているか、特に各キャリアの「プラチナバンド」と呼ばれる主要な周波数帯に対応しているかをしっかり確認することが最も重要です。
デュアルSIMについて:
Xperia Ace IIIのau版 (SOG08) とワイモバイル版 (A203SO) は、物理nano-SIMスロットとeSIMを搭載しており、2つの異なる回線を同時に利用する「デュアルSIM」運用が可能です。ドコモ版 (SO-53C) はnanoSIMのみの対応となります。デュアルSIMを活用することで、1台のXperia Ace IIIで2つの電話番号や2つの異なるキャリア回線を利用する便利な使い方ができます。
SIMロック解除の必要性
Xperia Ace IIIは、2021年10月1日以降に発売されたモデルは、原則としてSIMロックがかかっていません(SIMフリー)。これは、特定のキャリアの通信回線に限定されずに、どのキャリアのSIMカードでも利用できることを意味します。そのため、大手キャリアで購入したスマートフォンに義務付けられているようなSIMロック解除の手続きは、Xperia Ace IIIでは基本的に不要です。
家電量販店やオンラインストアなどで販売されているXperia Ace IIIは、最初からSIMフリーの状態です。しかし、一部のキャリアで発売されたXperia Ace IIIの古い在庫や、中古品として入手した場合は、ごく稀にSIMロックがかかっている可能性もゼロではありません。
お持ちのXperia Ace IIIがSIMロックされているかどうかの確認方法:
- 現在契約しているキャリアとは異なる格安SIM(または他のキャリアのSIMカード)を挿入してみる。
- 挿入後、通信ができるか、または「SIMネットワークのロック解除PIN」などのメッセージが表示されるかを確認します。
- もしそのようなメッセージが表示された場合は、SIMロックがかかっている可能性があります。
SIMロック解除が必要な場合:
お使いのXperia Ace IIIにSIMロックがかかっている場合は、購入したキャリアのウェブサイト(My docomo, My au, My Y!mobileなど)や店舗でSIMロック解除の手続きを行う必要があります。基本的に手数料はかかりませんが、購入からの期間や契約状況によっては条件がある場合もありますので、事前にキャリアのサポートページで確認しましょう。
結論として、Xperia Ace IIIを格安SIMで利用する際は、念のためSIMロックがかかっていないか確認することが大切です。特に中古品を購入する際は注意しましょう。
格安SIMを契約してから利用開始するまでの一般的な流れ

Xperia Ace IIIで格安SIMを使い始めるまでの流れは、初めての方でも理解しやすいように、おおむね以下のステップで進みます。
- 現在の契約状況の確認と準備
- 現在お使いのスマホの契約状況(契約期間、違約金、MNP予約番号の取得など)を確認します。
- MNP(モバイルナンバーポータビリティ)で電話番号を引き継ぐ場合は、現在契約中のキャリアでMNP予約番号を取得します。
- お持ちのXperia Ace IIIがSIMロックされている場合は、事前にSIMロック解除の手続きを済ませておきましょう。
- au版(SOG08)またはワイモバイル版(A203SO)のXperia Ace IIIをお持ちの場合は、物理SIMとeSIMのデュアルSIMに対応しているため、どちらを利用するか、あるいは両方利用するかを検討します。
- 格安SIM(MVNO)の選択と申し込み
- この記事で紹介するおすすめMVNOや、ご自身の利用状況(データ容量、通話頻度、予算など)、そしてお持ちのXperia Ace IIIのキャリア版と相性の良い回線に合った格安SIMを選びます。
- 各MVNOの公式サイトから申し込みを行います。本人確認書類やクレジットカード情報が必要です。eSIMの場合は、物理SIMの郵送を待つ必要がないため、最短で当日中に開通することも可能です。
- SIMカード/eSIMプロファイルの到着と設定
- 物理SIMの場合: 申し込み後、数日後にSIMカードが郵送されてきます。Xperia Ace IIIのSIMトレイを開き、SIMカードを挿入します。
- eSIMの場合: 申し込み完了後、QRコードやアクティベーションコードがメールなどで送られてきます。Xperia Ace IIIの設定からeSIMプロファイルをダウンロード・インストールします。
- APN設定(通信設定)
- Xperia Ace IIIで格安SIMを利用するためには、インターネットに接続するためのAPN設定が必要です。APN設定は、各MVNOが指定するAPN情報をXperia Ace IIIに手動で設定します。詳しい手順は後述の「Xperia Ace IIIで格安SIMを使う際の初期設定ガイド」をご確認ください。
- 開通手続き(MNPの場合)
- MNPを利用して電話番号を引き継ぐ場合、SIMカード/eSIMプロファイルが届いたらMVNOのウェブサイトや電話で開通手続きを行います。この手続きが完了すると、元のキャリアとの契約が自動的に解約され、新しい格安SIMで電話番号が利用できるようになります。
これらのステップを踏むことで、スムーズにXperia Ace IIIと格安SIMの利用を開始できます。
Xperia Ace IIIにおすすめの格安SIM
Xperia Ace IIIの性能を最大限に活かしつつ、通信費を抑えたい方のために、特におすすめの格安SIM(MVNO)を5社厳選してご紹介します。各社の特徴、料金プラン、そしてXperia Ace IIIでの利用メリットを比較検討し、あなたにぴったりのサービスを見つけてください。
mineo(マイネオ)
mineoは、ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線から選べる「マルチキャリア対応」が最大の特長です。これにより、お持ちのXperia Ace IIIのキャリア版と相性の良い回線を選ぶことができます。
- 特徴:
- 3大キャリア回線から選択可能(Aプラン:au、Dプラン:ドコモ、Sプラン:ソフトバンク)
- 余ったデータを翌月に繰り越せる「パケット繰り越し」
- ユーザー同士でパケットを分け合える「パケットシェア」「フリータンク」
- マイピタ: データ容量に応じたシンプルな料金プラン(1GB~20GB)
- マイそく: 最大1.5Mbps(スタンダード)または最大3Mbps(プレミアム)でデータ使い放題(混雑時は速度制限あり)
- Xperia Ace III デュアルSIM運用にも最適(au/ワイモバイル版で物理SIMとeSIMの組み合わせで利用可能)
- Xperia Ace IIIでの利用メリット:
- お持ちのXperia Ace IIIのキャリア版(ドコモ版、au版、ワイモバイル版)に合わせて最適な回線を選べるため、通信環境を維持しやすい。
- 多様な料金プランがあるため、Xperia Ace IIIで動画視聴やSNSなど、使い方に合わせて無駄なく利用できる。
- 余ったパケットを有効活用できるパケット繰り越しは、データ使用量に波がある方に便利。
料金プラン例(マイピタ)
- 1GB: 月額 1,298円
- 5GB: 月額 1,518円
- 10GB: 月額 1,958円
- 20GB: 月額 2,178円(通話定額オプションは別途)
mineo公式サイトへはこちら!
mineo(マイネオ)IIJmio(アイアイジェイミオ)
IIJmioは、格安SIMの老舗として知られ、通信品質の安定性と料金の安さに定評があります。コストを抑えつつも、安定した通信環境を求める方におすすめです。
- 特徴:
- ドコモ回線(Dタイプ)とau回線(Aタイプ)から選択可能。
- ギガプラン: 2GBから50GBまで幅広いデータ容量から選択可能。
- 余ったデータ容量は翌月に繰り越し可能。
- 高速通信と低速通信の切り替えが可能な専用アプリ「みおぽん」を提供。
- Xperia Ace III APN設定も公式サイトで詳しく解説されており安心。
- Xperia Ace IIIでの利用メリット:
- お持ちのXperia Ace IIIがドコモ版ならDタイプ、au版ならAタイプを選ぶことで、通信品質が安定しやすい。
- 大容量プランも充実しているため、動画視聴など、Xperia Ace IIIでデータを多く消費する方にも最適。
- Xperia Ace IIIのデュアルSIM機能(au/ワイモバイル版)と合わせて、通話とデータでSIMを使い分けるのも効率的。
料金プラン例(ギガプラン – ドコモ回線/au回線共通)
- 2GB: 月額 850円
- 4GB: 月額 1,060円
- 8GB: 月額 1,500円
- 15GB: 月額 1,800円
- 20GB: 月額 2,000円(通話定額オプションは別途)
IIJmioの詳細はこちら!
IIJmioJ:COM MOBILE(ジェイコムモバイル)
J:COM MOBILEは、ケーブルテレビのJ:COMが提供する格安SIMで、J:COMサービスとセットで利用することでさらにお得になるのが魅力です。au回線を利用しています。
- 特徴:
- au回線を利用。
- J:COM NETやJ:COM TVとのセット割引「J:COMまとめ請求」でお得に利用できる。
- データ盛: J:COMの対象サービスとのセットでデータ容量が増量されるキャンペーンを定期的に実施。
- 店舗サポートが充実しており、初期設定などに不安がある方でも安心。
- Xperia Ace IIIでの利用メリット:
- お持ちのXperia Ace IIIがau版であれば、au回線を利用するJ:COM MOBILEとの相性が良く、快適な通信が期待できる。
- J:COMサービスを既に利用している、または検討している方にとっては、Xperia Ace IIIの通信費をまとめて節約できる。
- 対面でのサポートが受けられるため、Xperia Ace III 乗り換えや初期設定に不安がある方でも安心して利用開始できる。
料金プラン例(データ盛)
- 1GB: 月額 1,078円
- 5GB: 月額 1,628円
- 10GB: 月額 2,178円
- 20GB: 月額 2,728円(J:COM対象サービス加入でデータ容量増量)
J:COM MOBILEのプランを見る!
J:COM MOBILENUROモバイル(ニューロモバイル)
NUROモバイルは、ソニーグループが提供する格安SIMで、データ通信の速度や料金プランの豊富さが特徴です。ドコモ、au、ソフトバンクの3回線から選べます。通信品質を重視するなら検討の価値ありです。
- 特徴:
- ドコモ、au、ソフトバンクの3回線から選択可能。
- 豊富なデータ容量プラン(データ専用プランから音声通話付きプランまで)。
- NEOプランLiteやNEOプランなど、高速通信に特化したプランも提供。
- **VMVNO(ベストエフォート型MVNO)**として、通信品質にこだわりを持つ。
- Xperia Ace IIIでの利用メリット:
- データ通信の質にこだわりたいXperia Ace IIIユーザーにおすすめ。
- お持ちのXperia Ace IIIのキャリア版に合わせて回線とプランを選べるため、最適な選択が可能。
- Xperia Ace III ソフトバンク系格安SIM(ワイモバイル版の場合)、Xperia Ace III ドコモ系格安SIM(ドコモ版の場合)、Xperia Ace III au系格安SIM(au版の場合)のいずれも選べる柔軟性がある。
料金プラン例(バリュープラス)
- 3GB: 月額 792円
- 5GB: 月額 990円
- 8GB: 月額 1,485円
- 15GB: 月額 2,090円
- 20GB: 月額 2,690円(通話定額オプションは別途)
NUROモバイルをチェック!
NUROモバイルイオンモバイル
イオンモバイルは、全国のイオン店舗で対面サポートが受けられる点が強みです。初めて格安SIMを利用する方や、手厚いサポートを求める方におすすめです。ドコモ回線とau回線に対応しています。
- 特徴:
- ドコモ回線とau回線から選択可能。
- 全国のイオン店舗で契約や相談、初期設定サポートが受けられる。
- 1GB刻みの細かなデータ容量プランがあり、無駄なく利用できる。
- 家族で契約するとお得になる「シェアプラン」も提供。
- Xperia Ace IIIでの利用メリット:
- 店舗で直接サポートを受けられるため、Xperia Ace III APN設定やXperia Ace III 乗り換えに不安がある方でも安心。
- お持ちのXperia Ace IIIがドコモ版ならドコモ回線、au版ならau回線を選ぶことで、良好な通信環境を期待できる。
- 月々のデータ使用量にばらつきがある場合でも、細かなプラン変更で最適な料金に調整しやすい。
料金プラン例(音声プラン)
- 0.5GB: 月額 858円
- 2GB: 月額 1,078円
- 10GB: 月額 1,958円
- 20GB: 月額 3,058円(その他、細かくデータ容量が選べます。通話定額オプションは別途)
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格安SIMでXperia Ace IIIを使うメリット・デメリット

ソニーのスマートフォン、Xperia Ace IIIを格安SIMで利用することには、多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべきデメリットも存在します。これらを理解した上で、ご自身に最適な選択をしましょう。
メリット
- 通信費の大幅削減: 大手キャリアに比べて、月額料金が格段に安くなります。データ容量や通話時間によっては、毎月数千円もの節約が可能です。Xperia Ace IIIの端末代金と合わせても、トータルの維持費を大幅に削減できます。
- 自由なプラン選択: 各MVNOは多様なデータ容量や通話プランを提供しており、自分の利用状況に合わせて無駄のないプランを選べます。使わないサービスに料金を払う必要がありません。
- SIMフリー端末のメリットを活かす: お持ちのXperia Ace III SIMフリーモデルであれば、キャリアに縛られずに自由にSIMカードやeSIMを差し替えることができます。海外旅行時などにも現地のSIMやeSIMを利用しやすくなります。
- デュアルSIM運用が可能: au版またはワイモバイル版のXperia Ace IIIは物理SIMとeSIMを組み合わせたデュアルSIMに対応しているため、格安SIMと大手キャリアのSIM、あるいは異なる格安SIMを組み合わせて、用途に応じた使い分けが可能です。例えば、普段使いは格安SIM、出張時だけeSIMで別の回線を使う、といった使い方もできます。
- MNPで電話番号を継続: 現在使っている電話番号は、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)を利用することで、格安SIMに乗り換えてもそのまま引き継ぐことができます。
デメリット
- 通信速度が大手キャリアより遅くなる可能性: 格安SIMは大手キャリアから回線を借りてサービスを提供しているため、時間帯(特に昼休みや夕方など回線が混み合う時間帯)によっては通信速度が遅くなることがあります。動画視聴やオンラインゲームなど、安定した通信を求める場合は、MVNOの通信品質に注意が必要です。
- 端末のキャリア版とMVNO回線の相性問題: Xperia Ace IIIはキャリア版によって対応バンドが異なります。特に「プラチナバンド」と呼ばれる繋がりやすい周波数帯に対応していないMVNO回線を選ぶと、郊外や建物内で電波が弱くなる可能性があります。ご自身のXperia Ace IIIのキャリア版と利用するMVNOの回線がマッチしているか、事前に必ず確認が必要です。
- サポート体制が異なる: 大手キャリアのような手厚い店舗サポートがないMVNOもあります。問い合わせは主にオンライン(チャット、メール)や電話が中心となります。初期設定やトラブル時に自分で解決する能力がある程度求められる場合があります。イオンモバイルのように店舗サポートがあるMVNOを選ぶのも一つの手です。
- キャリアメールが使えない: 多くの格安SIMでは、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアが提供する@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなどのキャリアメールアドレスは利用できなくなります。乗り換え後もメールアドレスを引き続き利用したい場合は、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールアドレスをメインに使うか、キャリアが提供する「メールアドレス持ち運びサービス」を利用することを検討しましょう(有料の場合があります)。
- 初期設定の複雑さ: 物理SIMの挿入やeSIMプロファイルのダウンロード、そしてXperia Ace III APN設定など、自身で行う初期設定が必要です。これは難しくありませんが、初めての方には戸惑うかもしれません。
- 決済方法が限られる: クレジットカード決済のみに対応しているMVNOが多いです。口座振替やデビットカードに対応しているMVNOは少ないため、事前に確認が必要です。
Xperia Ace IIIで格安SIMを使う際の初期設定ガイド(APN設定の具体的な手順)
Xperia Ace IIIに格安SIMを挿入するだけでは、すぐにインターネットに接続できるわけではありません。APN設定と呼ばれる通信設定を行う必要があります。Xperia Ace IIIのようなAndroidスマートフォンでは、APN設定は手動で行うのが一般的です。
APN設定の基本的な流れ(手動設定の場合)
- Wi-Fiに接続する: APN設定を行うために、まずXperia Ace IIIをWi-Fiに接続します。自宅のWi-FiやフリーWi-Fiなど、インターネットに接続できる環境を用意してください。
- MVNOのAPN情報を確認する:
- 契約した格安SIM(MVNO)の公式サイトにアクセスし、「APN設定」「初期設定」「Android 設定」などの項目を探します。
- 各MVNOが指定する「APN名(アクセスポイント名)」「ユーザー名」「パスワード」「認証タイプ」などの情報をメモしておきましょう。
- Xperia Ace IIIの設定を開く:
- Xperia Ace IIIの「設定」アプリを開きます。
- 「ネットワークとインターネット」をタップします。
- 「モバイルネットワーク」をタップします。
- 利用するSIM(例:SIM 1またはSIM 2/eSIM)をタップします。
- 「アクセスポイント名(APN)」をタップします。
- 新しいAPNを追加する:
- 画面右上の「+」ボタン(または三点リーダーメニューから「新しいAPN」)をタップします。
- メモしておいたMVNOのAPN情報を各項目に入力していきます。
- 名前: 任意の名前(例:mineo Dプラン)
- APN: MVNOが指定するAPN(例:mineo-d.jp)
- ユーザー名: MVNOが指定するユーザー名(例:mi***@*******ne.jp または任意のユーザー名)
- パスワード: MVNOが指定するパスワード(例:mineo または任意のパスワード)
- 認証タイプ: MVNOが指定する認証タイプ(例:PAPまたはCHAP、あるいは未設定)
- その他の項目は基本的に初期設定のままで問題ありませんが、MVNOによってはプロキシやポートの指定がある場合があります。その際は指示に従って入力してください。
- 入力が完了したら、右上の三点リーダーメニューをタップし、「保存」をタップします。
- 作成したAPNを選択する:
- APNリストに戻り、今作成したAPNの右側にあるラジオボタン(丸いチェックボックス)をタップして選択します。
- Wi-Fiを切断し、モバイルデータ通信を確認する:
- 設定アプリでWi-Fiをオフにし、モバイルデータ通信(4G/5G)に切り替わっていることを確認します。
- Chromeなどのブラウザでウェブサイトが表示されるか、各種アプリでインターネットに接続できるかを確認してください。
注意点
- 古いAPN設定の削除: もし以前に別の格安SIMを利用していた場合や、大手キャリアのAPN設定が残っている場合は、新しいAPNを作成する前に、不要なAPN設定を削除しておくと混乱を防げます。「アクセスポイント名(APN)」の画面で、削除したいAPNを長押しするか、タップして詳細を開き、削除するオプションを選択します。
- デュアルSIM運用時の設定: au版またはワイモバイル版のXperia Ace IIIはデュアルSIM対応のため、2枚のSIMを挿入している場合は、どちらのSIMでデータ通信を行うかを設定で選択する必要があります。「モバイルネットワーク」の画面で、「優先SIM」や「データSIM」などの項目を確認してください。
もし上記の手順でうまくいかない場合は、契約したMVNOのサポートセンターに問い合わせるか、公式サイトのFAQを確認してみてください。多くのMVNOでは、分かりやすい設定ガイドを提供しています。
よくある質問(FAQ)

Q1: Xperia Ace IIIはeSIMに対応していますか?
Xperia Ace IIIのキャリア版によって異なります。
- ドコモ版 (SO-53C) はeSIMに対応していません。物理的なnano-SIMカードのみの対応です。
- au版 (SOG08) とワイモバイル版 (A203SO) はeSIMに対応しています。物理的なnano-SIMカード1枚とeSIM1枚を同時に利用できる**デュアルSIM(DSDS/DSDV)**仕様です。
eSIMを利用すれば、物理SIMの到着を待つことなく、最短で即日開通することも可能です。
Q2: 格安SIMに乗り換えると、キャリアメールは使えなくなりますか?
はい、多くの格安SIMでは、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアが提供する@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなどのキャリアメールアドレスは利用できなくなります。乗り換え後もメールアドレスを引き続き利用したい場合は、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールアドレスをメインに使うか、キャリアが提供する「メールアドレス持ち運びサービス」を利用することを検討しましょう(有料の場合があります)。
Q3: Xperia Ace IIIを格安SIMで使うと、通信速度は遅くなりますか?
大手キャリアと比較すると、通信速度が遅くなる可能性はあります。特に、お昼休み時間帯(12時~13時頃)や夕方(18時~19時頃)など、回線が混み合う時間帯には速度低下を感じることがあります。これは、格安SIMが大手キャリアから回線を借りてサービスを提供しているため、帯域が混雑すると速度が制限されることがあるためです。
また、Xperia Ace IIIのキャリア版と格安SIMの回線の相性によっては、プラチナバンドに対応していないために、郊外や建物内で電波が弱く、速度が遅くなることがあります。契約前に必ずお持ちのXperia Ace IIIの対応バンドと、利用したいMVNOの回線の対応バンドを確認しましょう。
Q4: Xperia Ace IIIでテザリングは使えますか?
はい、Xperia Ace IIIでテザリング(インターネット共有)を利用することは可能です。格安SIMでも、原則としてテザリング機能は問題なく使えます。Xperia Ace IIIをモバイルルーターのように活用し、他のデバイスに安定したインターネット接続を提供できます。ただし、一部のMVNOや料金プランによっては、テザリングに制限があったり、追加料金が発生したりする場合がありますので、契約前に各MVNOの公式サイトで確認することをおすすめします。
Q5: Xperia Ace IIIはSIMフリーですか?
Xperia Ace IIIは、2021年10月1日以降に発売されたモデルは原則SIMロックがかかっていません(SIMフリー)。しかし、お持ちのXperia Ace IIIがそれ以前に発売されたものや、キャリア独自の設定がされている可能性もゼロではないため、念のためSIMロックがかかっていないか確認することをおすすめします。SIMロックがなければ、特定のキャリアに縛られることなく、国内外のどの通信キャリアのSIMカードやeSIM(au/ワイモバイル版のみ)でも利用可能です。
まとめ:Xperia Ace IIIと格安SIMで、賢く快適なスマホライフを!
この記事では、Xperia Ace IIIを格安SIMで利用する際の様々な疑問について、詳しく解説してきました。
Xperia Ace IIIは、コンパクトながらも充実した機能と優れた電池持ちで、日常使いに最適なスマートフォンです。お持ちのXperia Ace IIIのキャリア版に合った格安SIMを選ぶことで、その魅力を存分に味わいながら、毎月の通信費を大幅に節約できるという大きなメリットがあります。特に、au版やワイモバイル版のXperia Ace III デュアルSIM機能は、より柔軟な通信環境を求める方にとって大きな強みとなるでしょう。
初期設定のAPN設定も、少し手間はかかりますが、決して難しいものではありません。この記事のガイドを参考に進めてみてください。
もしあなたが、Xperia Ace IIIを快適に使い続けつつ、家計にも優しくスマートフォンの利用をしたいと考えているなら、ぜひこの記事で紹介したおすすめの格安SIMを検討してみてください。お持ちの端末のキャリア版と、利用したいMVNOの回線の相性をしっかり確認することが、快適なスマホライフを送るための鍵です。
Xperia Ace IIIと格安SIMの組み合わせで、より賢く、より快適なスマホライフを手に入れましょう!
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